院長ごあいさつ
2003年1月に、母校の信州大学医学部講師を辞して、千曲市粟佐に開院して早いもので16年になります。この間、多くの皆様と一緒に耳鼻咽喉科領域の疾患の診断と治療に携わらせて頂きました。
医師になって31年になりますので、ちょうど大学病院・勤務医と開業医の経歴が半分半分になりました。勤務医と開業医では求められるところが違いますが、どちらも奥が深くまだまだ極めるには、日々の努力とさらなる研鑚が必要であると感じております。
当院は耳鼻咽喉科疾患全般の診療を行っています。花粉症や、中耳炎の患者さんはもちろんですが、当院の特徴として、耳とのどの患者さんが多いことが挙げられます。
耳に関しては、耳鳴り、耳閉感、めまい、滲出性中耳炎の患者さんが多いです。鼓膜所見と聴力検査を組み合わせ、急性期には、早期診断によりすみやかに治療に進み、慢性期には、経過観察により再発や重症化を防ぐのが治療の目的です。
のどに関しては、のどの異物感、つかえる感じ、から咳、声がれなどの患者さんが多いです。診断には、耳鼻科ならではの内視鏡検査も併用し、アレルギー・炎症・腫瘍などの疾患の鑑別診断により、早期診断・早期治療を心がけています。
10年余り診療して気づいたことは、患者さんとの信頼関係が、適切な治療に不可欠ということです。どんなに診断が正確でも、どんなに薬が良くても、患者さんと医師との信頼関係ができていなければ、治療も中断しがちになり、病気が再発したり、悪化したりしてしまうこともあります。
開院当初は、メニエール病や変動性難聴の患者さんの再発例が多かったのですが、最近は治療方針や再発時の対処法を患者さんと共有できるようになり、重症化する割合がかなり少なくなりました。
信頼関係を築くためにも、できるだけ患者さんの目を見て話すことを日々心がけています。そのため、パソコンに打ち込む電子カルテではなく、紙カルテのままで診療しています。
日々の診療でご迷惑をおかけしているのは、待ち時間が長いことです。少しでも待ち時間を短くするために、診療後にその日受診された方全員のカルテをスタッフとともにチェックしています。
当日の検査・処方の復習と、次回の治療方針の予習をします。次回受診の際に、少しでも早く、より正確な治療ができるよう心がけています。
今後も診察内容をより密度の濃いものに、待ち時間をより短くという、相反する難題に取り組んで行こうと思います。
そして医院を出られた後で、今日かかってよかったと思っていただけるような医療を提供できたらいいなと考えております。
2019年記
- 略歴
- 安曇野市(旧穗高町)出身
松本深志高校 卒業
信州大学医学部医学科 卒業
信州大学耳鼻咽喉科医局 入局
信州大学耳鼻咽喉科教室 医局長・講師を経て
2003年 かつの耳鼻咽喉科開院 - 所属学会など
- 日本耳鼻咽喉科学会 専門医
千曲医師会 理事
千曲市立すべての小学校(9校)・中学校(4校) 学校医
県立屋代高・屋代付属中学・屋代南高・稲荷山養護学校 学校医
医学博士(1998年信州大学)